1964年元旦、俠客たちの抗争の渦中で、この国の宝となる役者は生まれた。
男の名は、立花喜久雄。
侠客の家に生まれながらも、その美貌を見初められ、
上方歌舞伎の大名跡の一門へ。
極道と梨園、生い立ちも才能も違う俊介と出会い、
若き二人は芸の道に青春を捧げていく。

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映画が大ヒットしてて気になったから、
ミステリー以外の分野を久しぶりに読んでみた。
めちゃよかった。
読み始めた時は、名前がいろいろと出てきて、誰?誰?ってなったけど、
わかれば読みやすく、物語の進み方も真横で自分が見てるかのように、
人が成長していく姿が伝わってくる。
しかも、この物語には語り手が歌舞伎のこと、物語の補足など、
いろいろと説明してくれるねんけど、物腰が柔らかな感じでまたいい。
それも含めて歌舞伎を見ているかのような感覚になる。
例えば、語り手は言う。
いつの時代にも嫌な奴などおりません。いるのは、
「私は気にしませんけどね、でも、
問題にされる保護者の方もいらっしゃるんじゃないかしら?」
という嫌な奴にならない嫌な奴でございます。
物語は進んでいくねんけど、合間合間に語り手の話す空気感が心地よくて。
そんなこんなで、喜久雄と俊介は育った環境は違えど仲が良く、
厳しい稽古に励んで舞台に立って、毎日過ごしていくねんけど、
急展開があるんよね。
それでもすんなりと頭に入っていくところが、この作者のすごいとこ。
歌舞伎自体も詳しくないのに、読めば読むほど面白くなっていく。
<下>が楽しみ。
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